2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

路上生活者の生存権

「健康で文化的な最低限度の生活」 よく聞くこの言葉は憲法25条に規定された生存権の文言です。 生きていく上で最低限の生活ができれば良いというものではありません。 人間らしく「健康で文化的な」生活が我々には保障されているのです。「では、路上生活者…

私のものさし、おじいさんのものさし

暖かそうな帽子とセーターを身に付け、バナナを食べていたおじいさん。話しかけると、聞いていたラジオを止め、話をしてくれた。 昭和10年生まれの、75歳。名前は聞かなくても良いだろ、ということで教えてもらえなかったが、公園暮らしを始めて、もう2…

のぼれない階段はどこまで続く

この数ヶ月間、路上生活者と対話を行ってきたが、その中で、ある程度見えてきたものがある。 路上生活に至るまでの過程は、段階的なものである。 ここでは、現在定職に就き、アパートで生活を送っている人を想定して話を進める。 何らかの原因で職を失ったと…

釧路市の自立支援プログラムがおもしろい ―『ルポ 生活保護』

命の格差 衝撃的なデータがある。*1 生活保護受給者の平均死亡年齢は、女性71.6歳、男性63.8歳。 全国で死亡した人の平均年齢(女性80.1歳、男性73.3歳)に比べて10歳程度も若い。 貧困は命の格差をももたらす。 その原因は判然としないが、死の問題は生の問題…